Cold Meat Industry

 スウェーデンに拠点を構える凍肉工房。出す音源の大半がダークなインダストリアル~アンビエンド~ノイズ作品であり、虚無、殺伐、悲哀、悪意などのキーワードをそのまんま音にした悪趣味なCDを多数出している。音楽の性格から言っても、音楽性を云々するよりも彼らの出す音の雰囲気にどっぷりと漬かるべきであろう。酒が回った頃に部屋の電気を消して大音量で聞くと一気にバッド・トリップできること請け合いなので、趣味の悪い人はやってみて下さい。

 でまあ、このレーベルの音楽性にぴきぴきっと来る人はどれ買ってもそれなりに満足できる上に主要ユニットは公式サイトで何曲かサンプル転がってるから細かい紹介は必要ないんだろうけど、サンプル聴いて語り系かと思ったら実はノイズだった、とかいう地雷が設置してある事が判明したので、聴いてみて受けた印象をメモっときます。

 ジャケ絵やトラックリストなどは公式サイトのカタログを参照のこと。

 2014年頃に活動を停止していることが判明。原因は首魁カーマックの体調不良ということらしい。詳細は英語圏の資料を追っていただきたい。

 時を同じくして、このサイトの管理者も精神疾患によりダーク・アンビエントを追いかけることができなくなった。ポスト CMI の日本圏でのフォローは誰かに託そうと思う。


2018.6.11

 投稿するだけして後で見直したら、レビュー部分が全く改行されていない不具合を確認している。これは Ownd の投稿システムがコピペからの改行を改行と認識していなかったことに由来するもので、暇を見てちまちま直していく予定ではあるものの、10年前の記事なので読むべき人はもう読んでいるだろうし、あんまり期待しないで下さい。


2018.6.11

 前述の通りCMI活動停止に伴い、Cold Meat Industry 印のついた音源を入手することは困難になっているが、所属ミュージシャンはちゃっかり別レーベルや自身の Bandcamp などから新作や CMI 時代の音源を発信しているケースを複数確認している。追っていきたい人はがんばってください。


凡例

殺伐度:この数値が高いほど救いようのない音を出してます。

破壊力:聴いた時に受ける精神的ダメージの高さです。

恐怖度:高いほど怖いです。

音楽性:きれいな旋律があったり、普通の音楽の形態を取っていたりすると高いです。「とっつき易さ」と言い換えていいかも知れません。自覚者にはこの数値が低いものを、好奇心で手を出す人には高いものをお勧めします。

再生時間:再生時間です。 


 XXX ATOMIC TOEJAM / A Gathering Of The Tribes for the first-last human be-in ( CMI 017 ) 

 Memorandum の人と Meshuggah の Fredrik Thordendal による合体ユニット。内容は EBM っぽいインダストリアル・サウンドで、Meshuggah 度はかなり低い。オフ気味に「ガッ、ガッ」とミュートを効かせたギターは確かに Fredrik の音であるが、Meshuggah の音を期待すると肩すかしを食らうのは確か。CMI.20 で聴けるトラックの方がまだギターサウンドが表に出ている。

 Meshuggah 抜きで見ると、CMI っぽい不穏なサウンドではあるものの、やはり典型的インダストリアル・ミュージックの域を出ておらず、レーベル初期の方向性が固まりきっていない実情が反映されている。

 よほどのマニア以外には不要な品かと。2曲しか入ってないし。

 ちなみに両者は Fredrik Thordendal のソロ作「Sol Niger Within」で再び共演する。

殺伐度:|||||| 30%

破壊力:| 5%

恐怖度:|| 10%

音楽性:|||||||||||||||| 80%

再生時間:||| 13min

[ 2007.7.17 ]


RAISON D'ETRE / Prospectus I ( CMI 018 )

 フィードバック音に加えて控えめに鐘の音やグレゴリオ聖歌、つぶやき声などを流す、CMIダーク・アンビエントを代表するユニット。

 本来ならば癒し系として使われる鐘や聖歌の性格を殺伐とした印象へと180度変えてしまう手法は驚異的。音に慣れるまでは聴き通すのも苦労するほど鬱度が高く、巷に転がっている「死にたくなる音楽」の中でも最大級のパワーを持っていると思うので、覚悟を決めてから聴くべし。

 普通の「音楽」ではないが、ビートやメロディの断片が存在する曲もあるので、以後の作品と比較して純度は若干落ちる。もっとも、初期作品特有の凄みが利いているので総合的な鬱度は他の作品と比べてもひけを取らないが。

 明確なコンセプトを提示せず、音像のみの抽象的なイメージを投影するスタイルは本作の時点で完成している。

殺伐度:|||||||||||||||||||| 100%

破壊力:|||||||||||||||||| 90%

恐怖度:||| 15%

音楽性:|||| 20%

再生時間:||||||||||| 54min

[ 2006.05.06 ]


V.A / Karmanik Collection ( CMI 020 )

 CMI初期のコンピレーションアルバムで、この当時CMIから音源を出していたユニットの音が聴ける。Raison D'etre など息の長いユニットもあるが、今ではすっかり消えてしまい音源も廃盤というユニットも多く、レーベル発足当初の初々しい雰囲気を伺い知ることができる。

 収録曲はダークなインダストリアルものが中心。

 MESHUGGAH オフィシャルサイトのディスコグラフィーに記載されている XXX ATOMIC TOEJAM の音源が聴ける貴重な1枚なので、MESHUGGAH および Fredrik Thordendal フリークは押さえておきましょう。内容は打ち込みドラム + 変拍子のない Fredrik 的ギターで、MESHUGGAH 度は 20~30% くらい。

殺伐度:色々

破壊力:曲により

恐怖度:様々

音楽性:千差万別

再生時間:||||||||||||||| 75min

[ 2004.10.18 ]


MEMORANDUM / Ars Moriendi ( CMI 024 )

 インダストリアル系。以前の音源からの再収録もの。レア音源も含んでいるらしくLP起こしと思われるプチ音の入っているものもある。

 打ち込みインダストリアルのバックに、ダークアンビエントからノイズまで様々な殺伐サウンドを乗せた音。曲ごとの区別はつくのだが、1曲の構成が起承転結のかけらもない単調なリズムを延々と反復させるので、途中からダレてしまう。

 コアなインダストリアルを聴く人はどのような感想を持つのだろうか?

 ちなみに18曲目「Insecticide II」で MESHUGGAH の Fredrik Thordendal がベースを弾いているほか、リミックスにも関わっている。一方で MEMORANDUM の Petter Marklund は F. Thordendal のソロ「Sol Niger Within」の作詞に関わっているようで、両者は何かと縁のある様子。肝心の曲は、同じリフが延々と5分続く反復インダストリアルにフィードバックのようなベースが被さっている。MESHUGGAH 要素ほぼゼロ。

殺伐度:|||||||||||||||| 80%

破壊力:|||||||||||| 60%

恐怖度:|||||||| 40%

音楽性:|||||||||||||||| 80%

再生時間:||||||||||||||| 73min

[ 2004.10.06 ]


★ RAISON D'ETRE / Enthraled by the Wind of Lonelienes ( CMI 27 )

 ダーク・アンビエントとして本領を発揮した、CMIからの2枚目。

 10分以上の曲が7曲中3曲を占め、この長尺曲の全てが真っ向勝負の純ダーク・アンビエント。

 それ以外の曲も純度が高く、作曲者 Peter Andersson の殺気すら漂ってくる。Raison D'etre の作品群の中でも完成度(?)は特級の出来だ。

 このユニットはどのアルバムも金太郎飴なので、まずはこの作品か、比較的イメージを掴みやすい The Empty Hollow Unfolds ( CMI 78 ) あたりから入るのがいいだろう。

殺伐度:||||||||||||||||||| 95%

破壊力:|||||||||||||||||| 90%

恐怖度:|||||||||||||||| 80%

音楽性:|||| 20%

再生時間:|||||||||||| 62min

[ 2006.06.03 ]


ORDO EQUILIBRIO / Reaping The Fallen... The First Harvest ( CMI 32 )  CMI勢で最もねじくれた病的ユニットの1stアルバム。  アコースティック楽器を基調とし、根性の歪んだSEと男女ボイスによる精神的に不健康きわまりないサウンドが特色だ。  本作ではアンビエント曲の比重が高いが、すでに ORDO EQUILIBRIO 節とも言える、常人とは何かが違う毒気を十分に孕んでいる。  ヤバい音を聴きたければこいつらを選ぶべし。 殺伐度:|||||||||||||| 70% 破壊力:||||||||||||||||| 85% 恐怖度:|||||||| 40% 音楽性:|||||||||| 50% 再生時間:||||||||||| 53min [ 2005.03.28 ] AGHAST / Hexeri im Zwielichr der Finsternis ( CMI 033 )  ブラック・メタル・バンド EMPEROR の中心人物である Samoth の奥方が参加しているアンビエント・ユニット。  密教儀式のような怪しいトラックの上に女性ボーカルが意味不明な言葉で歌っている。このボーカルも、オペラのように朗々と歌うでもなく、小声で呟くでもなく、本当に邪教の儀式の時に使っていそうな発声だ。  何も知らない人に「邪教の儀式で使われている曲です」と言ったら信じてしまいそう。  とりあえず超怖い。 殺伐度:|||||||||||||||| 80% 破壊力:||||||||||||||| 75% 恐怖度:|||||||||||||||||| 90% 音楽性:|||| 20% 再生時間:||||||| 36min [ 2004.10.11 ] RAISON D'ETRE / Within the depths of silence and phormations ( CMI 038 )  CMIから3枚目のアルバム。  ダーク・アンビエントを地で行くサウンドはまったく不変。本作も聴くだけでどんよりとした気分になれる、極上のダウナー・アンビエントを堪能できる。  1stアルバムとの相違点と言えば、1stが荒涼とした殺伐サウンドを鳴らしていたのに対して、こちらは内証的でミニマム、より精神的な雰囲気になったというくらいか。打撃力では1stに譲るが、こちらの方が精神への浸透率が高く、殺伐サウンドが脳みその内側からじわじわと効いてくる。 殺伐度:||||||||||||||||||| 95% 破壊力:||||||||||||||||| 85% 恐怖度:|||| 20% 音楽性:|||| 20% 再生時間:|||||||||| 52min [ 2005.03.28 ] MZ 412 / Burning The Temple of God ( CMI 041 )  ノイズ・インダストリアル。  メンバーのルックスやジャケ絵を見るとブラックメタルなのだが、それらしき曲は打ち込みドラムを使った#3のみ。他はノイズへ大きく傾いたインダストリアルだ。  ノイズ、アンビエントなどとも接点をもつブラックメタル界隈からの変種か?  どっかの BURZUM と同じことしてないだろうなと心配になってしまうジャケ写真が最高にアートです。 殺伐度:|||||||||||||| 70% 破壊力:|||||||||||||||| 80% 恐怖度:|||||| 30% 音楽性:||||| 25% 再生時間:|||||||||||| 62min [ 2004.10.12 ] ARCANA / Dark Age of Reason ( CMI 043 )  CMIの表の代表格。ロックのラインナップに限界を感じた Peter Pettersson が一人で活動するうちに女性ボーカルの必要性を感じ、Ida Bengtsson を誘ったことで始動された。  オーケストラサウンドとソプラノボーカル・男性コーラス隊による流麗なサウンドは、CMIよりも傘下レーベル Cruel Moon 系列に並んで然るべき内容だ。  ゴシック音楽の暗黒美を余すところなく表現した1枚で、ずばり傑作。  ちなみに日本のテレビ番組「アンビリーバボー」のテーマソングとして#3「Source of Light」が起用された。こんな辺境音楽に目を付けた担当者はマニア(賛辞)。  クレジットによると、本作では PAIN OF SALVATION の Daniel Gildenlow がコーラスのアレンジを手伝っているほか、そのコーラス隊には Daniel Gildenlow、Johan Langell、Kristoffer Gildenlow と、POSのお歴々が顔を連ねている。 殺伐度: 0% 破壊力: 0% 恐怖度:|||| 20% 音楽性:|||||||||||||||||||| 100% 再生時間:||||||| 37min [ 2006.06.03 ] ORDO EQUILIBRIO / The Triumh of Light... and Thy Thirteen Shadows of Love ( CMI 044 )  腐れフォークユニットがCMIから発表した2枚目のアルバム。  前作同様、おどろおどろしいダーク・アンビエントとフォークの掛け合わせに男女のボイスが乗るスタイルは同じく。本作ではジャケ絵に描かれているような、宗教じみたいやらしさを強く感じる。  日本では清涼なイメージを持つ白色と青色も、こいつらにかかればこの通り。  音の隙間からうじゅるうじゅるとしたたる腐汁を脳みそにぬりたくられ、聴き終わる頃には耳からカビが。 殺伐度:|||||||||||| 60% 破壊力:|||||||||||||||||| 90% 恐怖度:|||||||| 40% 音楽性:||||||30% 再生時間:||||||||||||||| 77min [ 2006.03.21 ] ★ SANCTUM / Lupas In Fabula ( CMI 046 )  インダストリアルを基本に、曲によって女性ボーカルとゴシックをバランスよく組み合わせ、プログレ風味を出した傑作。  譜面的な面白さなどどこ吹く風で己の道を邁進するCMI勢の中では群を抜いた音楽性を誇る。何より聴きやすい。  おそらく普通のユーロ・ロック好きにも対応できるのでは?  ベル・アンティークから「悪魔の囁き」という名で日本盤が出た。まだ購入できるかは不明。 殺伐度:|||||| 30% 破壊力:|||| 20% 恐怖度:|| 10% 音楽性:||||||||||||||||||| 95% 再生時間:||||||||||||| 65min [ 2004.11.23 ] MENTAL DESTRUCTION / Straw ( CMI 047 )  金属を叩く音を歪ませてノイズ化させたようなリズムセクションと、激しく歪んだボーカルやサウンドコラージュなど、全編がノイズまみれのインダストリアル。  周囲の情報を集めてみたところ、インダストリアル本来の音はノイズや金属音のコラージュに近いものらしく、ライナーにも Orthodox Industrial とある。  こりゃ本物のインダストリアルを聴いておかんと駄目ですね。 殺伐度:|||||||||||||||| 80%% 破壊力:||||||||||||||| 75% 恐怖度:| 5% 音楽性:||| 15% 再生時間:|||||||||| 50min [ 2004.10.12 ] ARCANA / Cantar De Procella ( CMI 055 )  ARCANAの2ndアルバム。  ドスの効いた男性ボーカルのコーラスから幕を開けるので脅し系への転身かと思わせるが、後半は前作でも見られた流麗な音に戻る。  ただし、オーケストラサウンドを重ねて音に厚みを持たせていた前作と比較して、今回は重ねる楽器の数を控えて「空間」を生かした作りになっている。  殺伐とした雰囲気も増し、よりCMIっぽい音に仕上がった。  おそらく序盤の展開は単独でイケると思いSOPHIAを立ち上げたのではなかろうか、と勝手に妄想してみる。  今度は#7「The Song of Preparation」とサンクスリストに PAIN OF SALVATION の Johan Hallgren の名前が。スウェーデンのこの界隈はみな兄弟なのか!? 殺伐度:|||| 20% 破壊力:|||| 20% 恐怖度:|||||| 30% 音楽性:|||||||||||||||||| 90% 再生時間:|||||||| 41min [ 2004.10.17 ] Cintecele Diavolui / The Devil's Song ( CMI 058 )  CMI風オルガン音楽。  前半はシンセ・オルガンのソロ。Devil's Song という題名とは裏腹に、愛嬌があり時としてひょうきんですらあるフレーズや、どこかのバイキングメタルでオーケストラアレンジされそうな曲が、わざとらしくヨタった演奏でしばらく続く。ところがアルバムの後半に差しかかった6曲目からオルガンの使い方が宗教的フレーズやヒステリックなかき鳴らしに変化する。挙げ句にソレモンのSEまで登場し、一気に雰囲気が悪化。7曲目の悪魔召還音楽を挟み、ラスト8曲目ではいよいよ悪魔ボーカルまで登場するという仕掛け。  何だかんだやって、結局最後のオチの付け方が CMI らしい。 殺伐度:|||||| 30% 破壊力:||||||||| 45% 恐怖度:||||||||||||| 65% 音楽性:|||||||||||||||| 80% 再生時間:||||||||||| 53min [ 2007.7.17 ] ORDO EQUILIBRIO / Conquest, Love & Self Perseverance ( CMI 064 )  CMIの悪趣味な面を象徴するユニット、3枚目。  と思ったら、本作では比較的まともなダーク・フォークを演奏している。ダーク・フォークにまともも何もあるかという向きもございますが、この方々に限っては成立する形容なのですね。  うっかり油断して膿をたらしてしまう曲も混じっているが、そこはご愛敬で。  普通のフォーク・サウンドも作れてしまうあたり、このユニットは底が知れない。  この変態め。 殺伐度:|||||||||| 50% 破壊力:|||||||| 40% 恐怖度:||||| 25% 音楽性:|||||||||||||| 70% 再生時間:|||||||||| 49min [ 2006.03.21 ] THE PROTAGONIST / A Rebours ( CMI 065 )  重厚なサウンドトラック風の作品。  シンセによるフル・オーケストラが主体のインスト曲がほとんどで、それに詞の朗読が乗る。  オーケストラ・サウンドを使っているだけCMIの他の面々と較べるとだいぶ聴きやすいが、それでも叩き付けるようなハンマー・ビートと焦燥感をもった曲調はCMIファミリーに名を連ねて遜色ないダークさだ。  オーケストラ面を強調した「ポストARCANA」と評されたこともあったような。 殺伐度:|||||||| 40% 破壊力:|| 10% 恐怖度:|||||||||||||| 70% 音楽性:||||||||||||||||||| 95% 再生時間:|||||||||| 48min [ 2004.11.23 ] SEPHIROTH / Cathedron ( CMI 069 )  Ulf Soderberg によるプロジェクト。  基本はCMI勢お得意のダーク・アンビエントだが、パーカッションを導入したパートが存在する点が他とは異なる。  また、音の断片をつなぎ合わせるコラージュではなく、どちらかと言えばイージーリスニング風の仕上がりだ。  これと言って特定のコンセプトを明確に打ち出している訳ではなさそうなので、その分だけ難易度は高めか? 殺伐度:|||||||| 40% 破壊力:|||||||||| 50% 恐怖度:|||||| 30% 音楽性:||||||||| 45% 再生時間:||||||||| 45min [ 2005.01.04 ] ARCANA / Isabel ( CMI 074 )  3rdアルバムからの先行シングル。収録曲3曲のうち2曲が3rdアルバムからのもの。  唯一オリジナル曲である「Eclipse of the Soul」は、荘厳であるものの2分に満たない小曲で、この曲のためだけに本作を買うには少々コストパフォーマンスが高いように思う。全体を通して収録時間8分というのも短すぎ。  デモンストレーション用の先行シングル以上の価値は見いだせない。投げ売りされていたら買うくらいの気持ちで。 殺伐度:|||||||||||| 60% 破壊力:|||||||| 40% 恐怖度:|||||||||||||| 70% 音楽性:||||||||||||||||| 85% 再生時間:|| 8min [ 2005.03.29 ] RAISON D'ETRE / The Empty Hollow Unfolds ( CMI 078 )  5枚目のアルバム。  ここまで来ると変わりたくても変わりようがない、相変わらずの殺伐としたダーク・アンビエントが展開されている。  今回は金属のきしみ音を多用し、ジャケ写の教会らしき建物が崩壊していく様を表現しているという解釈も可能だ。  金属音のおかげで比較的「やかましい」部類に入るが、所詮はどんぐりの背くらべ。よくここまで初期衝動を失わずに済んでいるよな、と感心してしまう。  ユニットの作品群の中でもイメージが具象的なので、この手の音楽に慣れていない人は本作がお勧め。 殺伐度:|||||||||||||||||||| 100% 破壊力:|||||||||||||||||| 90% 恐怖度:|||||||||||| 60% 音楽性:|||| 20% 再生時間:||||||||||| 53min [ 2005.03.29 ] ARCANA / ...The Last Embrace ( CMI 079 )  ARCANAの3rdアルバム。バックトラックと男性ボーカル担当のリーダー Peter Pattersson、女性ボーカル担当の Ida Bengtsson というレギュラーメンバーに加えて、チェロ担当の Marcus Ohlsson、バックコーラス担当の Johan Hallgren ( PAIN OF SALVATION ) が参加している。  ややケルト色が強まり暗黒度が落ちているものの、流麗なARCANAの美学は本作でも不変だ。  他の作品を聴いて気に入った人はこれも押さえておくべし。 殺伐度:|||||||| 40% 破壊力:|| 10% 恐怖度:|||||| 30% 音楽性:||||||||||||||||| 85% 再生時間:|||||||| 41min [ 2005.01.02 ] MZ 412 / Legon Ultra ( CMI 082 )  7"シングル。どこにも明記されていないが、面倒なので45回転でいいですもう。  両面合わせて12曲あるらしいが、曲間がないためにどこまでがどの曲なのか正確な判別ができない。  全曲ノイズでブラックメタルの気は完全にない、と言うか、もはやこのユニットでブラックメタル云々するのは間違っているような気がする。  A面は低音ビートが心地よいノイズ。B面は逆にソナー音のような高音の発信音が耳に残る。いずれもビート感を持っているものの、ピーピーガーガー。  盤の色が白と黒の2種類が、それぞれ412枚ずつリリースされた。 殺伐度:|||||||||||||||||| 90% 破壊力:|||||||||||||||||| 90% 恐怖度:| 5% 音楽性:| 5% 再生時間:|| 13min? [ 2004.11.24 ] ORDO ROSARIUS EQUILIBRIO / Make Love, And War ( The Wedlock of Roses ) ( CMI 084 )  少し名前が変わった腐れフォークユニット、4作目。  1曲目で反吐を吐くが、本作も基本路線はガチンコのダーク・フォーク。  ガチンコの、という所がポイントで、サンプリングやシンセサイザーを導入しつつ、SMも腐汁も蛆もない、まさにダークなフォークをやっている。  前作ではうっかり油断して膿をたらした曲もあったが、今回は(意図したであろう1曲目以外)それすら無し。後半明るい曲調も登場するが、徹底してダークに磨き込まれた作風は荘厳ですらある。  やはりこのユニットは趣味が悪い。 殺伐度:|||||||||| 50% 破壊力:|||||| 30% 恐怖度:||||||||||||| 65% 音楽性:|||||||||||||||| 80% 再生時間:||||||| 38min [ 2006.03.21 ] SOPHIA / Sophia ( Sigillum Militium ) ( CMI 089 )  ARCANAのリーダーである P. Pattersson の別ユニット。  パーカッションの強烈なビートと管楽器による機械的かつ無機質なサウンドで、ARCANA の暗黒面・脅し系の部分を強調したような音だ。  1曲目から9曲目までは曲名が同じで、1曲がほぼワン・リフで構成されている。  曲が後半へ進むにしたがって脅し系の要素が強まっていき、#8で最高潮になる。これは怖いぞー。 殺伐度:|||||||||||||||| 80% 破壊力:|||||||||| 50% 恐怖度:|||||||||||||||||| 90% 音楽性:||||| 25% 再生時間:|||||||| 41min [ 2004.11.25 ] MEGAPTERA / Beyond The Massive Darkness ( CMI 092 )  脅し系ホラー・インダストリアル・ユニットによる2枚組CD。  1枚目は不穏なドローン・ノイズ6連発。ホラー映画で言うなら「出るぞー、出るぞー、出るぞー」と雰囲気を盛り上げていくシーンに該当する。  不快なドローンでしこたま燻された後、2枚目はメタル・ビートを多用したインダストリアルに変貌。映画や音楽などからサンプリングした音声コラージュを多用したサイコ・スプラッター映画のようなナンバーが延々と続く。  変速技などは用いていないが、剛速球で勝負をかけてくるサウンドはこの界隈のお手本とも言えるほど純度が高い。脅し系・ホラー音楽ファンは聴くべし。 殺伐度:|||||||||||||| 70% 破壊力:|||||||||||||||| 80% 恐怖度:||||||||||||||||||| 95% 音楽性:||||||| 35% 再生時間:|||||||||||||||||||||||| 118min (2CD) [ 2006.03.12 ] COPH NIA / Holy War ( CMI 093 ) [ 新規 ]  脅し屋本舗による EP 作品。  どんよりどろどろのSEに続く2曲目 Holy War [Pt. I - Enter] は、珍しくタム多重打ちによるインダストリアル風の曲。これが CMI インダストリアル群の中でもトップクラスに格好良い。  3曲目は波の音と女性の呟きをメインとしたアンビエント曲。後半は一転して環境ぐわんぐわんの脅し音響に。  4曲目は2曲目の変奏曲。よりアンビエント色が強い。  さしあたり2曲目のインダストリアル曲が必殺なので、この曲目当てに買う価値あり。 [ 2009.3.9 ] ORDO ROSARIUS EQUILIBRIO / Make Love, And War ( The Wedlock of Equilibrium ) ( CMI 094 )  タイトルから察せられる通り、前作と対になる5作目。ちなみにどちらも全く同じ曲で開幕する。  ここしばらくスイトックなダーク・フォーク路線を歩んできたところで本作は悪趣味路線へ回帰し、本編開幕の2曲目から豚の鳴き声とエロボイスが交錯する変態直球サウンドを披露。  初期2作と比べて曲が引き締まったため腐れっぷりは落ち着いているが、その分だけサンプリング音を取捨選択するセンスがねじくれている。  おかあさん、ぼくの頭がへんになっちゃったよう。 殺伐度:||||||||||| 55% 破壊力:|||||||||||||| 70% 恐怖度:||||||||| 45% 音楽性:||||||||||||| 65% 再生時間:||||||| 38min [ 2006.03.21 ] LETUM / The Entrance To Salvation ( CMI 095 )  RAISON D'ETRE と同じく、フィードバック音に様々な効果音を重ねて作られたダーク・アンビエント。  手法が似ていると言ってもRAISONの安易なフォロワーという訳ではなく、こちらはシンセサイザーとコーラスの比重が高く、曲の持つ雰囲気もより壮大なものだ。  まるで広大な地下墓地(カタコンペ)を徘徊しているような音像は神秘的でもさえある。  CMI勢の中では殺気が少なく、毒気の強いものが苦手な人にもお勧めだ。 殺伐度:|||||||||||||||| 80% 破壊力:|||||||||| 50% 恐怖度:||||||||||||| 65% 音楽性:|||| 20% 再生時間:|||||||||| 50min [ 2004.11.27 ] SOPHIA / Herbestwerk ( CMI 096 )  2ndアルバム。  脅し系音楽としての完成度が高まり、ここにARCANAの流麗なサウンドはもはや無い。  パーカッションの強烈なビートと管楽器によるアンサンブルに加えてコーラスも導入され、完成度も飛躍的に高まった。  さらにコーラスを中心に組み上げた、パーカッションを使用しない曲も登場。両者の対比が効果を上げている。 殺伐度:|||||||||||||||||| 90% 破壊力:|||||||||||||| 70% 恐怖度:|||||||||||||||||| 90% 音楽性:||||| 25% 再生時間:||||||| 38min [ 2004.11.26 ] SOPHIA / Aus Der Welt ( CMI 096.2 )  2ndアルバム「Herbestwerk」に添付されているシングル盤。デジパック盤についてきたが、正確な添付条件は不明。後に Peter Pattersson のレーベルである Erebus Odora から単体リリースされたようだ。  基本的な路線は本体と同じく、パーカッションによる強烈なアタックのビート、管楽器をメインに使ったアンサンブル、クラッシック的なコーラス隊による凄惨な脅し系音楽が展開されていく。  収録時間が短い分だけ、こちらの方がまとまっているようにも思える。  曲のクオリティは決して悪くなく、むしろ正規作品と較べても遜色ないので、今のうちに押さえておこう。 殺伐度:|||||||||||||||||| 90% 破壊力:|||||||||||||| 70% 恐怖度:|||||||||||||||| 80% 音楽性:||||| 25% 再生時間:|||| 19min [ 2004.12.29 ] L.E.A.K / The Old Teahouse ( CMI 97 )  HEID のメンバーが参加しているアンビエント・プロジェクト。  次々に展開していく万華鏡アンビエントの HEID 節は本作でも健在で、ノイズからアコースティック楽器までを縦横無尽に駆使した万華鏡サウンドを体験できる。  一本調子の曲調が多いこの界隈で多彩な展開を持つアンビエント・サウンドは貴重だが、その一方でサウンドに幅を持たせすぎてとっちらかり気味なのが気になるところ。HEID の方がよく作り込まれていたと思うのだが。 殺伐度:||||||||||||||||| 85% 破壊力:|||||||||||||||| 80% 恐怖度:||||||||||||| 65% 音楽性:|||||||| 40% 再生時間:||||||||||| 55min [ 2005.03.29 ] INSTITUT / Unto The Last Man ( CMI 098 )  7"シングル2枚組、計4曲。  1枚目は比較的ビート感のあるノイズで、2枚目になるとビートも崩れてひたすらピーピーガーガー。  ノイズも勉強しろってか。  限定911枚で、内容は911後の中東情勢に関するものらしい。 殺伐度:||||||||||||||||||| 95% 破壊力:|||||||||||||||||| 90% 恐怖度:| 5% 音楽性: 0% 再生時間:||| 16min [ 2004.11.24 ] IN SLAUGHTER NATIVES / Recollection ( CMI 103 )  初期CMIに音源を出していたインダストリアル・ユニットのベスト盤。過去に出した4作品の中から2曲ずつ、計8曲が収められている。  音楽性はオーケストラを多用したダーク・インダストリアル。作品を重ねるごとにアンビエントの要素も増していく IN SLAUGHTER NATIVES だが、この盤ではインダストリアル・ユニットとしてのカラーが最もよく出ている曲を選んで収録してある。  きちんと「音楽」しているので聴きやすく、ユニットのみならずCMI全体の入門作品として最適だ。  CMIの方面へ首を突っ込んでみたい人はまず本作を聴いてみよう。 殺伐度:|||||||| 40% 破壊力:|||| 20% 恐怖度:|| 10% 音楽性:||||||||||||||||| 85% 再生時間:|||||||| 40min [ 2004.12.29 ] IN SLAUGHTER NATIVES / Re-Enter Salvation ( CMI 105 )  今まで発表した4枚のアルバムとボーナスCDで構成された5枚組のディスコグラフィー・ボックス。  ちなみに上記のベスト盤ともども、ARCANA の Peter Pattersson がリマスターを施している。  過去作品の入手が困難という理由からリリースされたようなので、ベスト盤を聴いて気に入った人はこれを探すのがてっとり早いだろう。  1作目から順番に聴いていくと、ダーク・アンビエントを取り込んで作品ごとに深化を重ねていく様が窺える。特に4作目 Purgate My Stain はえらい事に。  ボーナスCDの中身はライヴ音源と新曲で構成されている。 殺伐度:|||||||| 40% 破壊力:|||| 20% 恐怖度:|||| 20% 音楽性:|||||||||||||||||| 90% 再生時間:||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 247min (Total) [ 2004.12.29 ] MASCHINEZIMMER 412 / Malfeitor ( CMI 107 )  MEMORANDUMから殺伐サウンドを抜き取って音像をもっさりさせたような、派手な部分がまったくない地味で陰気なインダストリアル。  おそらく MZ 412 の改名前あるいは前身ユニットで、以前限定販売されたLP(CMI 007)にボーナストラックを追加してのCDとして再発したもの。コンピレーションアルバム「Altered States of Consciousness」(1991)から1曲、1988年の初期音源から2曲が追加収録されている。  とりあえずひたすらタルい。  MEMORANDUMと同じく、インダストリアル畑の人はどういう評価を下すのだろうか?  それ系のバーやクラブで流れていたらまた別の感想を持つとは思うのだが。 殺伐度:|||||||| 40% 破壊力:|||||| 30% 恐怖度: 0% 音楽性:| 5% 再生時間:||||||||||| 55min [ 2004.10.06 ] BDN : COPH NIA / Nunsploitation ( CMI 110 )  CMI社長のユニット BRIGHTER DEATH NOW と脅し系音楽ユニット COPH NIA のスプリットLP。  中身はインダストリアルに所属していた LEATHER NUN のトリビュート作品で、BDNは低音ドローン with 読経ノイズ(木魚込み)の「Slow Death」を展開。対する COPH NIA はハードロック調の曲「Prime Mover」を見事に COPH NIA 式暗黒ナンバーに変換。  COPH NIA サイドはどうやら45回転のようだ。となると、BDNもそれでいいのかしらん? 殺伐度:|||||||||||||||| 70% 破壊力:|||||||||||| 60% 恐怖度:|||||| 30% 音楽性:|||| 20% 再生時間: ?? [ 2004.10.16 ] ARCANA / Body of Sin ( CMI 112 )  シングル盤。7インチバージョンとCDシングルバージョンがあり、CDシングルはジャケもシングルサイズ。  番外編的な作品で、ARCANA の特徴であるオーケストラを多用した壮大な作風ではなく、アコースティック楽器によるダーク・ケルトのような感じ。クレジットには今まで女性ボーカル担当だった Ida Bengtsson の名は見られず、かわりに Ann-Mari Thim が起用されている。  ジャケットが尻なので、お尻マニアは根性で7イント盤も入手しておくこと。 殺伐度:||| 15% 破壊力:|||||||||| 50% 恐怖度:|||||||||||| 60% 音楽性:|||||||||| 50% 再生時間:||| 18min [ 2005.01.02 ] MOLJEBKA PVLSE / Sadalmelik ( CMI 113 )  フィードバック音が73分ひたすら鳴り続ける燻りドローン・アンビエント作品。全1トラック。  じわじわと音圧が上げながら鳴らされるドローン音は一般性など皆無の上級者向けだ。  boris「Absolutego」やEARTH「Earth 2」などのドローン作品が気に入っている人はトライしてみては? 逆もまた然り。  ちなみにジャケットは薄っぺらい紙ジャケ仕様。 殺伐度:|||||||||||||||| 80% 破壊力:|||||||||||||||||||| 100% 恐怖度: 0% 音楽性:| 5% 再生時間:||||||||||||||| 73min [ 2005.01.02 ] HEID / Pilgrim of the Sublunary World ( CMI 115 )  組曲「死神邂逅アンビエント」。11のトラックに分かれているが曲ごとのタイトルなし。デジパック見開きに絵と文章があり、おそらく特定のストーリーを追っていると思われる。その英文を解読してみたところ「天から降りてきた天使の名はDEATHでした」という内容で、死神と会いましたというコンセプトのようだ。確かに音もそんな感じ。  アンビエントの手法をとっているが、コンセプトに基づいた組曲的展開を見せる内容はダーク・アンビエントの万華鏡のようだ。  どうやら本作をもってユニットは解体し、メンバーの一人がLEAK(CMI 097)を立ち上げたもよう。 殺伐度:|||| 20% 破壊力:|||||||||| 50% 恐怖度:|||||||||||||||| 80% 音楽性:|||||||| 40% 再生時間:|||||||||||| 60min [ 2004.10.11 ] SOPHIA / Spite ( CMI 116 )  ARCANA のリーダー Peter Patasson のもう一つの顔、SOPHIA の3rdアルバム。  ティンパニによるハンマービートを多用した脅し系インダストリアル・オーケストラの地獄絵図は本作でも健在だが、ここに来て音楽性がやや拡散を見せ、ハミングやピアノによる情緒性も加味された。ARCANA の成果を SOPHIA にも反映している事がうかがえる。  情緒性が加わったことで少々方向性がとっちらかってしまい、前作ほど怖い思いをすることはないが、それでも来る時はドカンと来る。  何だかんだ言っても方向性は変わらず、緊張を強いられる音楽であることにも変わりはない。聴き終わる頃には神経がすり減らされてヘトヘトになる。  Peter Patasson が独自のレーベルを持ったことにより、SOPHIA も本作を最後に CMI の籍から離脱。2004年には精神病質なアルバム「Deconstruction of The World」をリリースしている。 殺伐度:|||||||||||||||| 80% 破壊力:|||||||||||||| 70% 恐怖度:|||||||||||||||| 80% 音楽性:|||||||| 40% 再生時間:||||||||| 45min [ 2006.03.13 ] KARJALAN SISSIT / Miserere ( CMI 117 )  まんまSOPHIAのフォロワー。確かに Peter Patasson の名前がプロデュースや作曲クレジットに挙がっている。  ネタ元よりオーケストラサウンドが若干前に出ている。  アルバム1枚で1曲という体裁の強いSOPHIAと違い、こちらは複数の曲を合わせて1枚のアルバムにしている感じ。かと言って各曲がバラバラに詰め込まれている訳ではなく、きちんと整合性は保っている。ホラーサスペンスのサントラか?  強烈な個性はないが手堅くまとまっている。SOPHIAが気に入ったらどうぞ。 殺伐度:||||||||| 45% 破壊力:|||||| 30% 恐怖度:||||||||||||||| 75% 音楽性:||||||||||||| 65% 再生時間:||||||| 37min [ 2005.01.02 ] NOD / The Story of The Three Little Pigs And The Big Bad Wolf ( CMI 120 )  タイトル名「三びきの子ぶた」。ジャケ絵は逆さ吊りの豚と狼。裏ジャケはその狼が首を吊り、豚は腹かっさばかれて精肉スタイルに。2003年度ジャケ絵対象受賞作品ですよ。  中身はノイズを中心としつつ、童謡を歪に変形させたようなコラージュが次から次へと襲ってくる。そのひねくれ具合は尋常でなく、手元にあるCMI作品群の中で最も悪意に満ちた作品だ。  童話のタイトルを冠しているが、間違えても子供に聴かせるような内容ではない。 殺伐度:|||||||||||||||||| 90% 破壊力:|||||||||||||||||||| 100% 恐怖度:||||||||||||| 65% 音楽性:|| 10% 再生時間:||||||||| 44min [ 2005.01.02 ] ARCANA / Inner Pale Sun ( CMI 121 )  4thアルバム。結局 Ida Bengtsson は復帰せず、女性ボーカルはシングルに参加した Ann-Mari Thim がそのまま続投する形となった。その他 Stefan Erikosson がバッキングボーカルやドラムス、プログラムなどで参加している。  構成メンバーが変わったところでARCANAの音楽性に何ら変化が起こる訳がなく、アコースティックとオーケストラによる暗黒美を堪能できる。  本作を最後に Peter Patasson はCMIレーベルから離脱、以後は自らの設立したレーベル Erebus Odora から音源をリリースしていく模様。 殺伐度:|||||| 30% 破壊力:|||| 20% 恐怖度:|||| 20% 音楽性:|||||||||||||||||| 90%% 再生時間:|||||||| 38min [ 2005.01.02 ] COPH NIA / Shape Shifter ( CMI 122 )  ダーク・アンビエントに男性ボーカルが加わった脅し系音楽。  不気味なドローン・トラックと低音の語りボーカルによる密教恐怖サウンドはゴシック・ホラー・ミュージックとして極めてレベルが高く、特に7曲目から先は本気で脅しにかかってくる。  夜中に部屋の電気を消して、立ったまま一人で聴くとより効果的だ。  #4「Prime Mover」はBDNとのスプリットLP「Nunsploitation」( CMI 110 ) に収録されているものとはミックス違い。また、#8ではBAUHAUSの「Stigmata Martyr」をカバーしている。 殺伐度:|||||||| 40% 破壊力:||||||||||||||| 75% 恐怖度:|||||||||||||||||| 90% 音楽性:|||||||||| 50% 再生時間:||||||||||| 56min [ 2005.01.04 ] BRIGHTER DEATH NOW / Discipline Through Mental-Illness ( CMI 123 )  CMI123番は、BDNの初期音源をmp3にしてネット上で配布している。該当ページを参照のこと。 [ 2004.10.30 ] ORDO ROSARIUS EQUILIBRIO / Cocktails, Carnage, Crucifixion & Pornography ( CMI 124 )  CMI が誇る病的ユニットの7枚目かそこら。途中からユニット名が「ORDO EQUILIBRIO」から「ORDO ROSARIUS EQUILIBRIO」に改称されている。  単調なアコースティック・サウンドを基調としつつ、剣を抜く音とエロボイスがしつこく登場し、そこに病みきった意味深なコラージュをねじこむ作風はいいかげん腐っている。  すでにベテランの域に達しているためかこなれた部分も目立つが、彼らの持つ毒々しい本質はまったく不変なので安心だ。  このねじくれたセンスはどこから来るんだか。 殺伐度:|||||||||||||||| 80% 破壊力:|||||||||||||| 70% 恐怖度:||||||| 35% 音楽性:||||||||||| 55% 再生時間:|||||||||| 51min [ 2005.03.28 ] ATRIUM CARCERI / Cellblock ( CMI 125 )  タイトル名の通り、監獄アンビエント。しかも廃墟。ついでに何か"事件"があって閉鎖されたといういわくつき。壁にぶちまけられた赤黒い染み、錆ついた独房の扉、黒光りする鉄格子、天井からぶら下がっている用途不明の電線、ミミズがのたくったような判読不明の落書き、凍えるほどではないが妙に肌寒い気温、という状況を音にするとこの作品になる。  ジャケ絵に描かれている不気味な監獄の雰囲気を余すところなく表現した本作は、ダーク・アンビエントとしてだけでなく、映像のないサウンドトラック作品としても秀逸だ。  ちなみに8曲目では何故かカウボーイビバッブの劇中に出てくる台詞が流れる。もちろん日本語であり、日本語使いの我々が聴くとちょっとマヌケ。 殺伐度:|||||||||||||||||| 90% 破壊力:|||||||||||||||| 80% 恐怖度:|||||||||||||||||| 90% 音楽性:|||| 20% 再生時間:||||||||| 43min [ 2005.03.22 ] DESIDERII MARGINIS / Strife ( CMI 131 )  ジャケ絵のような終末後の世界の風景画を音楽で描くダーク・アンビエント。  赤茶けた荒野、崩れ落ちた建物、うち捨てられて錆び付いた車など、ジャケットやライナーで提示したイメージを視覚的な音として視ることができる。また、ストリングスを使ってサウンドに明確な情緒性を持たせているので、この界隈では聴きやすい。  視覚的音楽として頭ひとつ抜けている作品であり、戦争による荒廃を描いた絵画的音楽としてじっくり聴ける1枚だ。 殺伐度:|||||||||||||||| 80% 破壊力:|||||||||||| 60% 恐怖度:|||||||| 40% 音楽性:|||||||||||| 60% 再生時間:|||||||||| 50min [ 2006.03.14 ] ★ SANCTUM / Let's Eat ( CMI 132 )  ダーク・インダストリアルに女性ボーカルの情緒性とプログレ的"展開"を持ち込んだ鬼才ユニット、8年ぶりの新譜。  前作のトレードマークとも言える女性ボーカルを前面に据えた曲は#4の1曲のみ。かわってチェロを中心とした弦楽器とピアノがアルバムの情緒面を担っている。  もちろん曲に展開を持たせる作風は本作でも健全。そしてアルバム全体を貫く悲壮感は彼ら独自のものだ。  インダストリアルと女性ボーカルの組み合わせを期待すると肩すかしを食らうが、ジャンルの枠に囚われない鬼才の感性は鈍っていない。とりあえず聴いてみれ。 殺伐度:|||||||||| 50% 破壊力:|||||| 30% 恐怖度:||||| 25% 音楽性:|||||||||||||||||||| 100% 再生時間:|||||||| 41min [ 2006.03.13 ] ★ IN SLAUGHTER NATIVES / Resurrection ( CMI 135 )  SANCTUMにひき続き、IN SLAUGHTER NATIVES 久々の新譜。  1stアルバムから4thアルバムまで次第にダーク・アンビエント色を強めてきたところで、本作ではそれを完全に消化。ブ厚いオーケストラ・サウンドを駆使しつつインダストリアルとアンビエントの中間を行く音楽性はオリジナリティ、クオリティともにCMIディスコグラフィーの中でもトップクラスの出来栄えだ。それでいて毒を失っていない姿勢も素晴らしい。  SANCTUMの1stアルバムと並ぶ傑作。サブタイトル「The Return of a King」に偽りなしなので聴いておきましょう。 殺伐度:|||||||||||| 60% 破壊力:|||||||| 40% 恐怖度:|||||||||||||| 70% 音楽性:||||||||||||||||||| 95% 再生時間:||||||||||| 53min [ 2004.12.29 ] ALL MY FAITH IS LOST... / As Your Vanishing In Silence ( CMI 136 )  男女ボーカルによるフォークユニット。  インストゥメンタルはアコースティックギター、ビオラ、フルートなどをメインに用い、ブ厚いストリングス系の音を用いないスタイルは CMI の専売特許である恐怖・殺伐・焦燥感といった要素が極めて希薄で、一聴するとリラックス・ミュージックとも取れる内容だ。  もちろんリラックス・ミュージックの対極にあるCMIがそんなものをリリースする訳がなく、本作で貫かれているのは「気怠さ」。どこまでも底に沈んでいくダウナーっぷりは、本作をダーク・アコースティックとしてCMIディスコグラフィーに列せられるに十分な説得力を持っている。  暗い音楽も喰えるアコースティク・ファンは要チェック。 殺伐度:|| 10% 破壊力:|||| 20% 恐怖度: 0% 音楽性:|||||||||||||||| 80% 再生時間:||||||||||| 56min [ 2006.3.12 ] ORDO ROSARIUS EQUILIBRIO / Apocalips ( CMI 141 ) [ 新規 ]  ご変態ユニットの通算7枚目あたり。カタログナンバー上では SPIRITUAL FRONT とのコラボ作品 Satyriasis より前になるが、リリース時期は本作の方が後になる。  その Satyriasis 路線を引きずってか、本作は割と普通のダーク・フォークを展開。前回の単独作品 Cocktails, Carnage, Crucifixion & Pornography が病み路線だったこともあるので、無理もないか。  割と普通とは言っても、やると決めたら徹底的にやるのが最近のこのユニットの強み。さらに今回は小技としてノイズも登場。ところどころに塗されるジャリジャリ音がいい具合に黙示録的である。  ただし、いまいちインパクトに欠けるのは確か。 [ 2009.03.09 ] ORDO ROSARIUS EQUILIBRIO & SPIRITUAL FRONT / Satyriasis, Somewhere Between Nihilism and Equilibrium ( CMI 144 ) [ 新規 ]  変態ユニット ORDO ROSARIUS EQUILIBRIO と SPIRITUAL FRONT によるコラボレーション作品。  SPIRITUAL FRONT は Old Europa Cafe だの Hau Ruck! だのから作品をリリースしている所から察するに、ネオ・フォークとかそちらの筋の人々のようだ。  内容は、まず1曲目に両者のコラボレート作品が。次いで交互に持ち曲を出し合い、最後にもう一度コラボ曲、というもの。  SPIRITUAL FRONT がネオ・フォークらしからぬ分かりやすいメロディと展開を持ち出し、負けじと ORDO も情緒的で美しい作風で対抗(5曲目など、一体どうしたのだろうか?)。  両者の火花を散らす真面目路線は本作をたいへん美しくも分かりやすいネオ・フォークの傑作たらしめている。対抗する部分が間違えているような気もするが、この路線を「間違えている」と思える時点で、まあいいか。  おそらく音だけで見るとノンケの人にも十分にお勧めできる内容なのだが、股間の筋がモロ見えの歌詞カードが全てをぶち壊す。嗚呼。 [ 2009.03.09 ] THE PROTAGONIST / Songs of Experience ( CMI 152 ) [ 新規 ]  2ndフル。  前作から音像がさらに厚みを増し、シンフォ・インダストリアルとも言うべき内容に。作風も重厚かつシリアスな方向へ強く統一されており、作品の出来としてあっさり前作を超えている。シンフォやクラシカルを名乗るにしては反復が多いような気もするが、この世界観の前には重箱の隅をつつくようなもの。  公称 Neoclassical の看板に偽りなしの快作。  ちなみに Xbox360 のカスタム・サウンドトラック機能を使い、プロジェクト・シルフィードのBGMとして本作を使うと、戦いの悲壮感が一気にクローズアップされ、雰囲気が引き締まる。一方で Drowning Pool などの低偏差値メタルをかけるとイケイケゴーゴー大戦争なノリに。お試しあれ。 [ 2009.03.09 ] LETUM / Broken ( CMI 159 ) [ 新規 ]  地下大墓地サウンドで鳴らした LETUM の 2nd アルバム。  今作ではノイズを大胆に導入。結果として、前作の大きな特徴であった空間の広がりが阻害されているような。  曲によってはイケるものもあるのだが、やはりノイズが邪魔をする。外れの少ない CMI の続編シリーズで外した感の強い、珍しい1枚。  それとも他に聴くべきポイントがあるのか? [ 2009.03.09 ] PIMENTOLA / Misantropolis ( CMI 167 ) [ 新規 ]  お化け屋敷をサウンド化したようなネオクラシカルとインダストリアルの中間的サウンド。  ただし、当施設で用いているお化けは全て本物です。順路を遵守していただけないお客様はお化けが取り憑いて殺します。その後は次のお客様を脅かす役目を担っていただきます。  経路を遵守された場合でも、その場の気分によっては取り憑かれる可能性もございます。  以上の点をご了承の上、同意書にサインした方から順次、お入り下さい。  どことなくひょうきんな気配を含む、ドラムスを含むパーカッションと叫びボーカル、オーケストラ風の打ち込み作品。お化け屋敷の印象は「ひゅ~どろどろ」な効果音による部分が大きいか。茶化して書いてはいるが CMI ナンバーである事には変わりなく、雰囲気は十分すぎるほど醸されている。  7曲目に至ってはガバ風バスドラムまで登場する始末。この手のハイブリット・タイプは初期にはあまり見あたらないような。 [ 2009.03.09 ] ORDO ROSARIUS EQUILIBRIO / O N A N I - [Practice makes Perfect], ( CMI 191 ) [ 新規 ]  スペースで区切ったってそうは問屋が下ろさんぞ。  えげつないタイトルに反するように、まとも路線である。ただし前作とは若干空気が違う。エレキ系と思わしき、ズシンと腹に来る太い音色のベースを使っている所が大きいと思う。  しかしダークかと言うとそうでもなく、むしろ透明感すら持った「ライト」路線? エロボイスも確認できたが、従来の病的な使われ方とは一線を画している。  てゆうか官能的にエロい。  しかし一番えげつないのは歌詞カードというオチ。  通常版CDに加えて444枚の限定LPが2バージョン、それに加えてカードとDVD付きCDバージョンもリリースされた。手元にあるのはこのDVD付きCD。DVDの内容は1曲目 Glory To Thee, My Beloved Masturbator の PV。内容はアルバムタイトルの通りです。 [ 2009.03.09 ] Cruel Moon  Cold Meat Industry の傘下レーベル。扱うジャンルは Dark Folk Music。どうやら Cold Meat Industry よりも一般的な音楽を扱うらしい。現在ではGOTHICAとATARAXIAのがディスコグラフィーの大半を占めているので、今後の活動に期待したい。 PROSCRIPTOR / The Venus Bellona ( BC 000 )  どうやらCD1枚で何かの物語を表現していると思わしき中世サウンド。以後の Cruel Moon のカラーから較べるとだいぶ荒っぽくも男臭い音楽だ。  前半ではアコースティックの中世音楽全開で通するのだが、中盤で急にシンセやドラムスを使いはじめ、後半で再びアコースティックに戻る。この音楽でなぜエレキ方面へ行くのか謎だ。おかげで随分とちぐはぐな印象を受けてしまう。  各トラックは曲と言うよりも場面場面を抜き出した効果音とフレーズ、あるいはセリフで構成されており、やはりCD劇である印象が強い。英語が読める人はトライするべし。できれば概要を教えて下さい。  隠しトラックとしてポコスカなメタルが1曲入っている。さっぱり訳がわかりません。 [ 2005.01.04 ] GOTHICA / Night Thougnts ( BC 005 )  ダークかつ荘厳なトラックとオペラ歌唱の女性ボーカルによる2人組のユニット。  ダークだがひねくれてはおらず、女性ボーカルがきちんと前面に出ているので聴きやすい。ARCANAを判りやすくさせたような音はまさに「暗黒美」と言うにふさわしい。  このユニットの強みは暗黒かつ美しい音楽を追究しているところにある。エレクトロニクスに手を出して耳当たりを良くしようと小細工をしないので、中途半端な部分は一切ない。  一部ではARCANAを越えたという声も。 [ 2005.01.04 ] NOVA / Utopica Musa ( BC 007 )  作曲者と女性ボーカルによる2人ユニット。  この辺りはGOTHICAと共通なのだが、GOTHICAがオーケストラ系の楽器を使い荘厳な演出を施しているのに対して、こちらはエレクトロ系のシンセやギターを多用している。  沈下していくGOTHICAに対して浮上していくNOVAといったところか。  ボーカルの実力はGOTHICAの方が一枚上手かも。 [ 2005.01.04 ] ATARAXIA / Mon Seul Desir ( BC 008 )  Cruel Moonのフォーク部門担当。アコギ1本で歌う純フォークではなく、ストリングスなども導入したモダンなアレンジになっている。ボーカルは女性だが、GOTHICAなどのオペラ的な歌唱ではなく、民族音楽のような逞しい歌い方をしている。フォークと言うよりも、モダンアレンジの北欧ワールド・ミュージックと言った方がしっくり来るような。いかにも「北欧!」という感じの雰囲気がいたく気に入ってしまった。  公式サイトへ行くとディスコグラフィーが拝めるのだが、どうやら日本で容易に入手できるのは本作だけのようだ。バンドに直接コンタクト取るしても英語がなぁ(´Д`;) お気に入り度:|||||||||||||||||| 90% ★ GOTHICA / The Cliff of Suicide ( BC 009 )  2ndアルバム。  方向性としては、より流麗な「美」の方向へ進んでいる。したがって漆黒に塗り潰されたような圧迫感のある「暗黒」さは1stアルバムほどではない。しかし十分な黒さは保っているので、1stのダークさ"のみ"に惹かれた人以外なら大丈夫だろう。  前作の時点で十分な完成度を誇っていたが、今作ではさらに作曲力が増している。ここまで優れたアルバムを作れるようになれば、後はひたすら己の道を突き進むのみ。  もちろん大傑作。 [ 2005.01.04 ]


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